無為自然楽校では、老子の無為自然の考えを取り入れ、ありのままの自分で、ありのままの自然を感じ楽しみます。校舎や施設はありません。身近な公園から里山、低山、河川、湿地など、さまざまな自然環境がフィールドです。自然を身近に感じることで、あなたの世界を広げ、安らぎを生み、日々の暮らしを豊かにすることを目指しています。
中国の古代の思想家・老子の考えです。私流の解釈では、「余計なことはせずに、ありのままの自分を自然にまかせること」です。そうすることで、よりよく自然を感じ、体験することができます。
きれいな野鳥を見たいと思って森に入っても、すぐに会えることはまれです。むしろ期待していなかったけど、面白いものに出会えたという経験をお持ちではないですか?自然を体験するときに、ありのままの自分で自然にまかせることのほうが、思いがけない自然やすばらしい体験に出会えるチャンスが多いと思います。無為自然でないとダメということではありません。自然との楽しみ方はさまざまです。自分なりの視点を自然の中で作って、あなたの世界を広げてみてください。
人間には五感という感覚があります。自然体験を重ねていくと、五感が研ぎ澄まされ、日々の暮らしの中でさまざまなことに気づくようになります。例えば、電線に止まっている鳥がスズメだと思っていたらツバメだったとか、雨の日に雨音をじっくりと聞いてみたくなったりとか。すると、友人や家族に見つけたことを話して一緒に体験してみたくなります。暮らしの中で家族や友人との会話も増えていくでしょう。そうやって身近な自然を感じながら生活できたら素敵だなと思いませんか。自分自身が無為自然であることで、思わぬ発見や出会いが待っています。普段の暮らしの中でのなにげない自然への気づきが、皆さんの暮らしを豊かにするのではないでしょうか。
昔と比べて、現代を生きる私たちは自然体験が少なくなっています。それは、直接自然と関わらなくても生活が成り立つからです。自然体験の減少は、自然への感性の減少にもつながります。自然は、本来、おもしろく、楽しく、気持ちいいものであると同時に、恐ろしく、偉大で、計り知れないものです。現代では、そういう気持ちを抱くことがなかなか難しくなっています。そこで、暮らしの中から自然への感性を育むために無為自然楽校を立ち上げました。
特に今の子ども達は日常での自然体験が少ないです。夏にはキャンプに行ったり、レジャーで山に行く子もいますが、自然は遠い所にあるものという認識がほとんどなのではないでしょうか?しかし、今の自分たちのくらしの中にも、自然は存在しているし、学ぶこともたくさんあるし、ときには勇気づけられることもあります。幼少期の自然体験がその後の人生を左右することは間違いありません。日常の身近な自然を見直す機会を与えることで、子ども達には未来に向けての豊かな感性を育むことを期待しています。
ありのままの自然を感じて、暮らしを楽しむための第一歩を踏み出しましょう。